8月に大阪十三(じゅうそう)にあるアトリエCaimaさんにて、夏休み特別企画のワークショップにインストラクターとして参加させていただきました。
今回のお題は明暗をデッサン的に捉える練習です。
デッサンをする時、よく「形を明暗で捉えましょう」と言われたりするのですが、
これ自体がそもそも意味不明だったりします。
この言葉、語弊があるのを含んだ上で別の言い方をすると
「影の形を描きましょう」
ということになります。
スクリーントーンを切るように、影と陰の形だけを描きます。
すると、描いていないところも形として現れ、結果として全体の形が浮かび上がるという、何とも不思議な現象が起こります。
上の図はグレーの紙と黒い紙を影の形に切り抜いて画用紙に貼り付けたものです。
明るいところは何も手を加えていないのですが、何となく明るいところも形が見えます。
目の前にあるものを「明暗に分け切る」ことができるかどうかが、デッサン的なものの見方に到達する最初の峠かもしれません。
鉛筆を使うと、どうしても「分け切る」より先に描き進めてしまいます。
そこで、敢えて紙を使うという足枷をつけることで、分け切ることに集中します。
ここが大人でも頭をヒネるところで、また楽しいところでもあります。
明暗に選り分けるとは細部は無視する作業なのですが、これが全体を捉えることにつながります。