2/21 ハンガリー大使館文化部主催「かたちを描く 美術解剖学でわかるからだの秘密-日本とハンガリーを結ぶ美術解剖学-」にて、ドレスデン美術大学美術解剖学主任教授のサンドロ・ドーロ先生とウェブセッションしました。

 

Photo by Atsushi Morimoto

 

ドーロ先生のご著書「ドーロの美術解剖学講義録」の日本語訳版がボーンデジタル社より去年の8月に出版されたのですが、私はその数ヶ月前にドイツ語版を読んでおりました。

 

 

実はこの本、なかなか日本では入手困難なのですが、私の美術解剖学仲間であり、日本各地で開催されている「彫刻ワークショップ」の主催者であるMさんから

「アタリさん、こんな面白い本がありますよ」

とご紹介いただきました。

 

ちなみに私、ドイツ語は全く読めませんので、中にあるイラストや画像のみを頼りに読み進めておりましたが、文字は読めなくても「これは医学寄りではなく、完全に作り手寄りの書き方だ!」というのがすぐにわかる内容でした。

 

「医学寄り」と「作り手寄り」は何がどう違うんだ、というお声が聞こえてきそうなのですが、要するに家を建てる時の設計図と施工図の関係に近いかもしれません。

施工図は設計されたものを、現場で実際に形にするための図面で、これがないと現場監督や担当者が動けません。建築図面という意味では設計図と同じなのですが、読む人が異なりますので書き込まれている情報が違うのです。

設計図はクライアント向けデザイン説明書、施工図は現場担当者向け仕様書・段取り説明書といったところでしょうか。

 

ドーロ先生の本はこの例えで言うと「施工図」に近いのです。

 

 

Photo by Atsushi Morimoto

 

Photo by Atsushi Morimoto

 

この本はなんと画期的なのだろう!と感動した私は、早速ドーロ先生へファンレターを送りました。

 

 

「あなたの大腿部の説明のページxxxは、このように書かれていて、まるで手に取るようイメージできます!素晴らしい!」

 

「ページyyyの説明のところで、骨盤の説明図に関連のない胸郭の図が一緒に示されており、全体像をイメージしながら部分を理解できる!百科事典のように区分けされていないのがいい!!」

 

といった調子でガンガン文章を連ね、まさしく「送りつける」といった感じで渾身の一通をお送りしました。

 

すると、なんとご本人からの返信メールが!もう夢のようで、本当に嬉しかったです。

 

怪しい日本人から、何だかネッチョリした長文の英語が送られてきて、先生は気色悪かったのでは、と今になって反省しきりですが、ご連絡いただけて本当にありがたく。

 

それが去年の5月のこと。そのご返信の中で「8月には日本語訳が出版されます」とあり、おお、それはまた嬉しい!楽しみ!

 

と思っていたら、ボーンデジタルより出版されるとの情報があり、、、、となんだかんだ色々ありすぎて割愛しますが、「ドーロ先生からのご紹介で、、、」と、ある日突然ハンガリー大使館から私にご連絡いただいた次第です。

 

 

その時初めて、先生ご自身はドイツ人ではなくハンガリー人(マジャール)ということを知りました。

アタリは日本史選択の学生だったのですが、大人になってから歴史系人気YouTuber茂木誠さんのチャンネルで世界史を聴きまくっておりまして、ハンガリーは好物のうちの一つ。

 

ハンガリーってもう本当に大変な歴史の国で、右向いても左向いてもあんな国やこんな国に囲まれてますでしょう。オルバーン首相、どこぞの国の増税首相とはえらい違いです。

 

そんな国の、美術解剖学の素晴らしい先生とお会いできて、日本人として本当に誇らしく、ありがたいし、このご縁を大切にしたいと思っております。

 

Photo by Atsushi Morimoto

 

イベントの模様はボーンデジタルの公式YouTubeチャンネルにてアーカイブでご覧いただけます。

 

あ〜〜〜〜海斗さん・Mさん・前芝さん、海斗ライブの皆さん。みんなでドレスデン行きませんか?(妄想)

 

 

 

 

 

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