デッサンは「3次元空間(限定)を別の3次元空間に置き換えること。」
と実験的に考えると(前回の「連載1」より)、さらに次のような答えが導き出されます。
他人から見ると「絵を描いているよう」ように見えるが、
デッサンしている人の頭の中では「ものを置く」に近い。
これはデッサン上級者の方にはしっくりくる感覚なのではないでしょうか。
どこに「ものを置く」のか。
それはこの「紙」という窓枠の向こう側に広がる世界に「置く」ということになります。
まだ何も存在していない、空気も温度も陰影も光もない、ただの広がり。
この中に自分が最初に「もの」を存在させる。
これは、異世界空間にトリップするのと同じ。
もっと言えば、自分が異世界空間の神になるということと同じです。
自分自身が異世界空間にいる臨場感でワクワクする。
実はこれが人がデッサンにハマる理由です。
(7/7 京都アトリエRojue 「人体解剖学セミナー 顔・頭部編」より抜粋)