私は美大にも芸大にも行っていません。それどころか。
家族に美術系もデザイン系も誰一人いません。
趣味でやってる人間すらいません。
私だけ、突然変異のように美術をやっています。
大学を卒業してからは一般企業に普通に勤務して
昇進したり新人教育に当たったり、プロジェクトに参加したりしてますので、
副業で画家をやっていると言うと、驚かれます。
画風を見せると、「うおっ」とか、今度は変な声を上げて驚かれます笑。
新人教育をしますので、社会人になりたての人や経験の浅い人に、
いっぱしの企業人になるためのツッコミを入れる立場です。
「ほらほら、そんなことをしたら在庫が増えちゃうよ」とか、です。
およそ芸術のカケラもない環境ですが、
この芸術とそうでない空間を行ったり来たりするのが、私が最も生き生きとできる状態なのです。
ものすごくアーティスティックな話題でもついていけます。
ギリシャ哲学からコンテンポラリーアートまでを語られても理解できます。
なんなら意見することもできますが、あまり好きではありません。
アート問答っぽくなるのが少々苦手なのと、アーティスト然とした風体や発言を、あんまりかっこいいと思えないからです。
私の家は機械や設計など、技術者を多く輩出した家系ですので、ものの考え方に仕組みの分析をしたがる傾向があります。
それが美術に対しても同様に働いているのだと思います。
スーツとかワークブルゾン着て、企業内で不良率のリデュースや限界利益に貢献してる画家って、かっこいいのと思うのです。
売掛金を回収してる画家なんて最高。もう誰からも文句出ません笑。
これからも、きちんと経済と産業を意識できる画家でありたいと思うのです。