造形の原点は小さい時に経験した色や匂い、肌で触れたものの記憶でできています。
小さい時に気がつけば側にあった画材。
私にとってはサクラクレパスでした。
この幅1mの絵は小学校1年生の時のものです。
夏の台風を呼んでしまったアカデミック造形研究プロジェクト企画
第5弾「二人の美術解剖学展」@大阪市中央公会堂
8月14日〜8月16日(10:00~19:00 最終日は15:00)
記念公開制作 「造形の原点」
8月15日 13:00~15:00 と8月16日 10:00~13:00 (2日間)
前芝武史(彫刻家)x アタリサオリ(画家)x 海斗(美術解剖学モデル)
アタリは12色のサクラクレパスでのドローイングをお見せします。
ですが、おそらく12色も使いません。
何百色もあるパステルを見ると本当に魅了されますし、独特のニュアンスの絵の具は色として美しいものです。
しかし。
色数あれば使いこなせるとは限りません。むしろ使いこなせないことの方が多いです。
幼い頃に様々な色彩の体験をすることはとても楽しいのですが、本当に色彩の本質と奥深さを理解するには思春期以降の訓練が必要です。
あか
き
あお
しろ
私は絵の訓練をかなり早くから開始していました。上の小学校1年の時の絵でも、モスグリーンが入っています。色数の多いクレパスを買ってもらって嬉しかったことを覚えています。しかし、小学校2年生の時にこの4色に限定して絵を描く指導を絵画教室で受けたことで、色をコントロールする感覚を養ったと思います。
その後、高校時代に
バーントシェンナ
イエローオーカー
ウルトラマリン
ジンクホワイト
この4色だけで油絵を仕上げるように指導を受けました。
敢えて色数を抑えることで、表現力を身につけます。
同じ緑色でもどこにどのように置かれると、どういった緑に見えるのか。
自分の置きたい「緑」を置きたい場所に置く場合、どのように混色すればいいのか。
こういった画面との相談ができるようになるためです。
クレパスは画用紙とお話をする最初の素晴らしいツールなんです。