すっかり秋の気配…と思いきや、台風のシーズンとなって参りました。
先月の「二人の美術解剖学展」で、彫刻家の前芝武史先生とOL画家のアタリで2Dと3Dのライブモデリングを行いました。
テーマは「激変の瞬間」。
単なる木炭の広がり、粘土の塊が、人の形になっていく瞬間をお見せする企画です。
事前に兵庫教育大学でモデルの海斗さんを囲み、モデリングを途中段階まで仕上げます。
後の完成までを中央公会堂で行うのですが、これが正味1時間。なかなかハードでした(^_^;)
この感じは、美大の受験会場での追い込みのあと残り1時間の感覚です。
でも実に面白かったです。私と前芝さんがブツブツ言いながらのライブです。
こう申し上げては何ですが、やってる本人たちが一番楽しんでいたと思います。
向こう側から聞こえてくる前芝さんの「うわ!」とか「すっご!」といった雄叫び(笑)。
一方で、私はできるだけ実況中継感覚で話します。
「股間を描く時は照れずに。他の部位と等しく、お医者様のような感覚で見て描きましょう」
言っている本人は大真面目。でも聞き方によっては相当変かもしれません。
作り手の二人も対照的ですが、二人の間にいるモデル台上の海斗さんもまた対照的。
場を統べるかのように堂々と、口では何も語らず、背中と視線で語る。
上の画像はライブその時ではありませんが、実際はヌードでのポージングです。
実際のところ、これは三人の美術解剖学展なんです。
作品は作者とモデルさんの共同作業で初めて成り立つ、という私たちの考え方を表しています。