さて、美術解剖学で男性らしさのポイントを学びつつ、同時にやっていただきたいのは歴史でございます。

 

え〜〜?れきし〜?何の〜?と思われると思います。

 

 

正確に申し上げますと文化史。とにかくネタに詰まったら歴史を紐解くのと、自然から学ぶ。この二つが王道でございます。

 

 

「自然から学ぶ」は美術解剖学をベースにした実物の男性の観察。「歴史を紐解く」は古今東西の美男子を見まくる、です。

 

もちろん、気合の入った方でしたら平安時代の美男子「引き目、鉤鼻、下膨れで栄養不良の青

 

白い顔」から紐解かれるのもよろしいかと思いますが、ちょっと現代とギャップが大きすぎ

 

すので、スタートラインとしてはハードルが高いと思います。

 

 

まずはみなさんのご両親の世代もしくはそれマイナス10年ぐらいの方々が「時代のイケメン」として

 

崇めていた芸能人から見ていくのがオススメです。

 

 

私の場合、それは「草刈正雄」でございます。

 

はい、あの、「なつぞら」の北海道のおじいちゃんです。

 

 

草刈正雄は男性化粧品のCMでデビューし、沖田総司や真田幸村を演じたり、女たらしのてっぺんとったる

 

系レーサーを演じたり、1970年代の男前の代名詞のような存在でした。

 

 

親世代ど真ん中の石原裕次郎はイケメン枠と言うよりも時代のスターと申しますか、いわゆる顔貌の美しさ

 

よりも、もっと総合的な「かっこよさ」という枠で突出した存在で、男女問わずのスターでした。

 

かなりの化石語でございますが、「甘いマスク」という点で申し上げると「草刈正雄」に軍配で

 

ございましょう。

 

 

で、「草刈正雄」。美形は美形なのですが、なんと言えばいいのか。

 

私にとっては、ですが、甘いマスクが甘すぎて正直ピンときません

 

同級生で草刈正雄が好きという人は現実にいましたが、一人だけ。多数派ではありませんでした。

 

したがって、理由は色々あるにせよ私と同様にピンとこないという人が多かったと思います。

 

 

 

私の世代で時代を代表する美男子は「福山雅治」です。

 

 

(いや、あの人もいる、いやいや、この人もいる、、、とお思いになられる方々が

 

多数おられると思え、正直私も個人的に大沢たかおを推したいのですが、要点は「誰が最も美形か」

 

ではありません極端な話、誰でもいいのです。論を展開する上で大変申し訳ありませんが、

 

最も分かりやすい例として敢えて「他の様々な美男子」バッサリ切らせていただき、「福山雅治」とする

 

ことを何卒ご了承くださいませ。)

 

 

 

「福山雅治が美形(だと思う)」よりも、この「草刈正雄はピンとこない」ということの方

 

が大事で、美の様相、流行が親の世代と異なるからこそ「ピンとこない」わけです。

 

 

 おそらく福山雅治は今の十代の皆さんにとっては、もちろん中には好きな方も当然おられますが、

 

全体としては「お父さんぽくてピンとこない」と思われる方が多いと思います。

 

 

 

中学生対象の塾の講師をしている友人が5年前に「今の十代の(時代の)美形は松潤」

 

と言っていましたが、そこから5年後である現在はもう松潤でさえないと思います。

 

現在の「時代を代表する美男子」って誰なんでしょうか。

 

 

 ピンとこないから美形の参考としては外す、とすると、ここでキャラバリエーションはストップです。

 

あなたの「美男子」はワンパターンで終わります。私がキャラデザイン担当で「マツジュン、、、う〜ん、

 

息子みたいでピンとこないなあ、、、、やっぱり福山さん」なんて思ってしまうと、

 

次世代がウェルカムなキャラは作れません。

 

 

 時代を代表する美形の画像をズラッと並べてみて下さい。それぞれの変遷の様子が見て取れると思います。

 

つまり、がっつり二重の男性が良しとされたのか、切れ長の目元が流行したのか、

 

肌の白さ、あるいは小麦色であるとか、痩せ気味、筋肉質、、、、肉体的な特徴に加えて、

 

「ちょっと不良っぽい」「健康的で爽やか」「不健康な感じ」「知的」など、顔貌だけではない、

 

時代が期待する男性像が現れていると思います。

 

すなわち、美形というのは顔面の目鼻口の配置だけでは測れない、その時代の期待がどこにあるのかで

 

全然変わる、ということです。

 

 

 平安時代の引き目、鉤鼻、下膨れの青白い顔など、現代ではとてもイケメン枠には入りませんが、

 

時代が要求すればそれさえイケメンなわけです。

 

 

 時代のイケメンは日本人でさえないケースもあり、1960年代にアラン・ドロンが「世界の恋人」

 

なんて日本で持てはやされた一方、江戸時代末期にもし一般日本人が彼を見たならば悪鬼羅刹の類で

 

表現したでしょう。

 

 

 もし、今の時代が「かわいくて親しみやすい、和やかなものを求めている」のであれば、鼻先をツンと

 

尖らせ、プロテーゼを乗せたような鼻の形は、もしかして「アウト」かもしれません。

 

「う〜ん、綺麗なんだけど、、、なんか、イマイチ?」なんて例ございませんか?

 

「私の個人的趣向」とお思いかもしれませんが、あなたの中にも確実にある時代の空

 

、それが「否」と言うているのです。

 

 

 

時代の変遷を美形を通してたどれば、あなたが次に生み出すべき美形男子のキャラのヒントが

 

必ず見つかるはずです。ぜひ頑張ってみてください。

 

 

 

 但し、敢えてキャラバリエーションはつけるべきではないという場合も

 

ございます。

 

あなたはネタ切れと思っていたとしても、エンドユーザーは「そのワンパターンがいい」と思っておられ

 

ケースもありますので、その場合「バリエーションを付けることはできるが、敢えてそれはしない」という

 

状態を目指してください。

 

 

Blogトップへ