え〜、たまには日本語で投稿しませんと息が上がってしまいますので、今回はちょっとアニメ/マンガなネタでいかせていただきます。
今でこそ油絵といった、芸術中の芸術!!みたいなことをやっておりますが、この世界に入ったきっかけはダビンチでもなければゴッホでもピカソでもございません。
思いっきりマンガでございました。
人生で最初に好きになった作品は池田理代子の「ベルサイユのばら」。
読んだ当初はなにぶん4〜5歳児でございましたので、この作品の大テーマであるフランス革命の歴史的意義などは全く分かりませんでした。しかしながら、とにかくストーリーが骨太なのは幼心にも理解でき、かつ何と言っても華麗な池田理代子の画風に魅了されておりました。
この作品には有名な3人の美形男子がおります。敢えて「男子」と言わせていただきますが、正確に言いますと男子二人と女子一人、 オスカル、アンドレ、フェルゼン という名前でございます。
やっと見つけたオフィシャルかつ3人揃って見ることができる画像はこちら↓
https://power-ambitious.co.jp/products/detail/435
オスカルは女性なのですが、諸事情から父親のジャルジェ将軍に男として育てられます。無論美「女」なのですが、爽やかな男言葉に抜群の剣の腕前。近衛連隊長姿の凛々しいオスカルを読者は完全に美しい男性として見てしまいます。
アンドレはオスカルの付き人のような立ち位置の男子で、彼女とは幼馴染。身分違いながらものちにオスカルを女性として愛するようになり、彼女をマジで命懸けで守るナイトのような男性となります。
フェルゼンはスウェーデンの貴公子。実在の人物ですが、伝わっている肖像画とは似ても似つかぬ超イケメン。王妃マリー・アントワネットと道ならぬ恋に落ちるキャラで、今時の流行りの顔ではないかもしれませんが、立派な男性的イケメンでございます。
ストーリーについてはこの素晴らしい原作を読んでいただくこととして、ここから本題に入らせていただきます。
さて、この3人の中で、誰が最も美形か。
一応は、ですが、オスカルとフェルゼンがストーリーの中では貴婦人方にモテモテの美形として描かれております。
ではアンドレが美形ではない普通男子か、と言えば、いえいえ、どこからどう見ても「美形」でございます。ネットで検索していただければすぐに画像が現れますが、オスカルは氷の花の如く、クールな美しさ。フェルゼンはキリリとした男性的な眉と目元がセクシー。アンドレは最初は大きな瞳のアイドル系なのですが、ストーリーの後半には独特の憂いが漂う設定となり、これまたセクシー。
三者三様の美しさなのでございます。
とりあえずはっきりと言えるのは、美形の型が少なくとも3つは確立しているということです。
もひとつ申し上げますと、オスカルはブロンド、フェルゼンはブラウンヘア、アンドレは黒髪です。この3者の髪の毛の色を入れ替えたとしても、それぞれは各々の顔立ちから、誰が誰なのか判別可能です。金髪のアンドレはオスカルには絶対なりません。あれ、なんでアンドレが金髪なんだろう、黄金色の夕暮れに立つ設定のシーンかな、とは思うかもしれませんが、オスカルだか誰なんだか不明、とはなりません。
それぐらい顔そのものに個性があり、そのどれもが「3つの別々の美しさ」なわけです。
それぞれの個性ですので、誰が最も美しいかは判定不能。もう読者の好みとしか言いようがございません。
3つ。少ないと思います?実は多いんです。現実世界には福山雅治もいれば、佐藤健もいるし、東山紀之もいるし、世代を超えさせていただきますと、草刈正雄やヒロミGOや田村正和やおとっつあんの坂東妻三郎や、もうわんさか美形がいます。この人たちはそれぞれの顔が全然違いますので、3つぐらい楽勝と思われる方が多いと思いますが、実はアーキタイプを3つ作るって結構厳しい。そして同時に3つは必要最低限度数とも言えます。
と申しますのも、3つあれば、あとは順列組み合わせでキャラの幅をどんどん拡げていけるからです。
他の池田作品を見ると、「あ、これはオスカル系統の顔をもうちょっと目を大きくして髪を黒にしたんだな」とか、そういった感じでバリエーションが拡がっていくのがよく分かります。
ここで、もしこの「型」が一つしかなかったら、どうなるでしょうか。
キャラの描き分けはせいぜい髪の長さと色、メガネの有無ぐらい、、、です。
ものすご〜〜〜く表現の幅、狭まりますよね。見た目がワンパターンになり、ストーリーに入る前にまず第一印象がとてもつまらなくなります。それを圧倒するストーリーの面白さがあればなんとかしのげるかもしれませんが、逆に言いますと、そこまでの圧倒性があるストーリーを作ることができる力があれば、キャラもキャラ立ちさせないとせっかくのストーリーが台無しになる可能性がありますので、そのストーリーをより明確に表現できるキャラクターを作らないと満足できないはずです。
ゲームのキャラだったらそこまで込みに込み入ったストーリーのバックボーンを組み立てる余裕さえありません。(スピンオフストーリーを展開するならまた話は別ですが)
身も蓋もない言い方ですが、いわゆる引き出しの多い作り手かどうか、という一点に問題が集約されるわけです。
じゃあ、どうすれば引き出しは多くなるのか、と申しますと、やはり地味な研究を重ねるのが最も近道ということになります(次回へ続く)